【木造住宅の特性を知っておいて下さい】

1.貴新築工事での構造部材の特性

 貴新築工事における構造部材は、工場出荷時に含水率計による含水率管理によって確かめられた、含水率20%以下の乾燥材(柱・梁・土台材についてはプレカット部材)を使用し、寸法等収縮等が少ない安定した品質の木材を使用しています。
 貴新築工事において当社が採用している木材の材種及び含水率及び設計図面(あるいは仕様書)記載寸法(契約寸法)の当社構造検査時許容寸法誤差は構造部材に関する品質基準シートに記載しています。

 構造検査時の寸法検査とは、設計図面(あるいは仕様書)に記載されている寸法が、構造検査時点において当該誤差の範囲に収まっていることをチェックする検査のことです。
(参考:構造部材に関する品質基準シート)
構造部材 材種 含水率 許容寸法誤差
和室・真壁の化粧柱 化粧ばり構造用集成材 15%以下 +1.5mm〜-0mm
和室・真壁の化粧柱以外 ヒノキKD 15%以下 +1.5mm〜-0mm
大壁の柱 ヒノキKD、ベイマツKD 15〜20% +1.0mm〜-0mm
大梁・胴差(化粧材) スギKD、ベイマツKD 15〜20% +1.5mm〜-0mm
大梁・胴差(化粧材以外) スギKD、ベイマツKD 15〜20% +1.5mm〜-0mm
軒げた(化粧材) スギKD、ヒノキKD、ベイマツKD 15〜20% +1.5mm〜-0mm
軒げた(化粧材以外) スギKD、ヒノキKD、ベイマツKD 15〜20% +1.5mm〜-0mm
筋かい ヒノキKD、ベイマツKD 15〜20% +1.0mm〜-0mm
根太・小ばり ヒノキKD、ベイマツKD 15〜20% +1.0mm〜-0mm
土台 ヒノキKD、ヒバKD、保存処理材 15〜25% +1.5mm〜-0mm
垂木 ヒノキKD、ツガKD、ベイマツDK 15〜20% +1.0mm〜-0mm
棟木・母屋 ヒノキKD、ツガKD、ベイマツDK 15〜20% +1.5mm〜-0mm

注:寸法については設計図面、工事内訳見積書に記載通り


2.木材の特性と寸法収縮に関する当社の品質基準

 通常木材は着工時の含水率が20%以下であっても、施工後も部材により乾燥が進化し、いずれ平衡含水率(15%程度)に達します。この過程で木材が収縮し、設計図面に記載された寸法よりもその径が減じる可能性があります。その径の減じる寸法は1%程度(当社使用のスギ柱材実寸法121.1_角で120.0_角までの減少)で平衡含水率に達する品質の材料を使用しています。


3.引渡し後のエアコン等が木材に与える影響

 平衡含水率は、一般に15%程度になりますが、湿度等の関係で、地域、季節、部位、暖・冷房によって含水率は1020%程度でばらつきます(その径は最大で2%程度収縮します。)。具体的には、お引渡し後、エアコン等をご使用になる居室、2階の天井近くなどでは、平衡含水率は低くなり、これによる木材の収縮変形により、木材以外の材料と接合部におけるひび割れや建具の建て付け上の不具合、床鳴り等が生じる可能性があります。


4.木材の乾燥収縮に伴い起こりうる不具合事象

 大引き、根太等の床組構成部材の配置、接合方法の断面寸法等が適切な場合があっても、木材の通常の乾燥収縮に起因するわずかな変形等により床鳴り(きしみ音等)が発生することがあります。